Cloudy Heart

2021

sound installation

アクリルボックスの中には密閉された煙が漂い、 心臓の鼓動の音圧によって曇りの中で見えない心臓が動いている。

ある精神科医は「曇らせる」という言葉を時に使うと聞いた。それは薬を使って、統合失調症患者が見て感じるつらすぎる現実世界を適度に曇らせることを表現している。それとは対照的に「晴れている」状態は、薬を使わずに、剥き出しの現実世界に晒されている状態を指すのだという。「曇らせる」とは、この合理的社会に順応する状態を指すのだと私は解釈しているが、多くの人々は「晴れて」はおらず、私も含め、自らをある程度「曇らせる」ことで生きているように感じる。

この作品は”心臓が動いている”(2021,video installation)と対になる作品として位置付けている。展示空間に漠然と響く心臓の鼓動が、映像の後半部分と緩やかにリンクし、リズムと鼓動が意識されて重なっていく。

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