火の会話 (#1 - #16)

Fire Dialogue (#1 - #16)

2021 

lambda print、203×254mm (Variable size)

火が付いたタバコからもう一本のタバコに火を分け与えてもらう。

タバコは息を吸いこむ際に火が つく為、お互いの息を吸う動作が合わないと火はなかなかつきづらい。

呼吸というと、ふつう生活ではなかなか意識されないが、意識的に呼吸を気にする瞬間というのは、スポーツや仕事などで集中するような局面や、体の不調によって呼吸を意識することがあるかもしれない。これらの多くは、自身の呼吸に対しての意識であって、他人の呼吸を意識する機会はあまりないようにも思う。

タバコからタバコへ火をつける動作には、まず、密接な距離によって起こる私とあなたの関係性への気付きがある。

次に、一人がライターでタバコに火をつけるのを待つ間にあなたの久しぶりの顔を観察することができる。

そしてタバコ同士をすり合わせ、お互いの呼吸を意識する。

呼吸が交わって火がつくその瞬間には、ちっぽけな生を確かめられる気がしていた。

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